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日本の商標出願制度と手続きの流れ | 青山法律事務所

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商標・知的財産権のスペシャリスト

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日本の商標出願制度と手続きの流れ

商標登録の出願から権利取得までを体系的に解説

商標調査

出願手続き

審査

登録

商標登録の手続きの流れ

商標出願から登録までの主な流れと各段階で必要な手続きについて解説します。

1

先行商標調査

他社の商標登録状況を確認し、登録可能性を判断します。無駄な出願を避けるために重要なステップです。

2

出願手続き

願書を作成し特許庁へ提出します。書面出願またはインターネット出願が選択できます。区分選択が重要です。

3

審査

方式審査と実体審査が行われます。問題があれば拒絶理由通知が発送され、対応が必要です。

4

登録査定

審査で登録要件を満たすと判断された場合、登録査定が通知されます。拒絶理由があれば対応が必要です。

5

登録料納付

登録査定から30日以内に登録料を納付すると商標権が発生します。5年または10年分を選択できます。

審査期間の目安

通常の商標審査期間は約6〜8ヶ月ですが、早期審査制度を利用すると約2〜3ヶ月に短縮できます。

商標登録に関する費用

商標出願から登録、更新までに必要な費用の概要です。

費用項目 金額 備考
出願料 3,400円+(8,600円×区分数) インターネット出願・書面出願どちらでも共通
電子化手数料 2,400円+(800円×願書のページ数) 書面出願の場合のみ必要
登録料(5年分) 17,200円×区分数 登録査定後30日以内に納付
登録料(10年分) 32,900円×区分数 登録査定後30日以内に納付
更新登録料(5年分) 22,800円×区分数 存続期間満了前に更新手続き
更新登録料(10年分) 43,600円×区分数 存続期間満了前に更新手続き

手数料の納付方法

特許印紙、予納、現金納付、電子現金納付、口座振替、クレジットカードなど複数の方法から選択できます。

早期審査制度

早期審査制度を利用すると審査期間が約2〜3ヶ月に短縮されます。早期審査の申出自体には追加費用はかかりません。

区分数による費用の違い

商標登録の費用は「区分数」によって大きく変わります。区分とは、商品・サービスの分類(全45区分)を指します。

例:1区分の場合の合計費用

  • 出願料:12,000円
  • 登録料(10年):32,900円
  • 合計:44,900円

例:3区分の場合の合計費用

  • 出願料:29,200円
  • 登録料(10年):98,700円
  • 合計:127,900円

商標登録出願の具体的費用例

区分数・出願形態別の実際にかかる費用のケーススタディです。

標準的な出願: 1区分1出願

弁護士・弁理士報酬

  • 出願時基本手数料: 30,000円
  • 先行調査手数料: 30,000円
  • 登録時成功報酬: 40,000円
  • 消費税(10%): 10,000円
  • 弁護士弁理士報酬計: 110,000円

特許庁費用

  • 特許庁出願料: 12,000円
  • 特許庁登録料: 32,900円
  • 特許庁費用計: 44,900円
合計費用: 154,900円

事業範囲拡大: 3区分1出願

弁護士・弁理士報酬

  • 基本手数料(1区分): 30,000円
  • 追加手数料(2区分×20,000円): 40,000円
  • 先行調査手数料: 30,000円
  • 成功報酬(基本40,000円+追加20,000円): 60,000円
  • 消費税(10%): 16,000円
  • 弁護士弁理士報酬計: 176,000円

特許庁費用

  • 特許庁出願料(3区分): 36,000円
  • 特許庁登録料(3区分): 98,700円
  • 特許庁費用計: 134,700円
合計費用: 310,700円

ブランド保護: 1区分2出願(ロゴ+標準文字)

弁護士・弁理士報酬

  • 出願時基本手数料(1出願目): 30,000円
  • 出願時基本手数料(2出願目): 30,000円
  • 先行調査手数料: 40,000円
  • 登録時成功報酬(2出願): 80,000円
  • 消費税(10%): 18,000円
  • 弁護士弁理士報酬計: 198,000円

特許庁費用

  • 特許庁出願料(2出願): 24,000円
  • 特許庁登録料(2出願): 65,800円
  • 特許庁費用計: 89,800円
合計費用: 287,800円

弁護士・弁理士の商標登録費用

商標出願の代理人費用体系と区分数による費用変動についてご説明します。

出願時手数料

¥60,000 /1区分

先行調査を含む基本料金

区分追加: +¥20,000/区分

登録時成功報酬

¥40,000 /1区分

登録査定後のお支払い

区分追加: +¥10,000/区分

追加対応費用

¥50,000 〜

拒絶理由通知対応時

意見書作成・補正書提出など

費用の計算方法

基本料金に加えて、商標を保護したい区分の数に応じた追加料金がかかります。例えば、3区分の場合、出願時は60,000円+20,000円×2=100,000円となります。

拒絶理由への対応

審査で拒絶理由が通知された場合、意見書・補正書の作成には別途50,000円〜の費用が必要となります。対応の複雑さにより変動します。

費用に関する重要事項

  • すべての料金は消費税別の金額です
  • 特許庁への納付金(出願料・登録料)は別途必要です
  • 1区分でロゴと文字を別々に保護する場合は、2つの出願となります
  • 複数区分出願の場合でも、一括して管理を行うため手続きは効率的です

商標登録における区分(類)

商標登録出願では、保護を求める商品・サービスの区分を選択する必要があります。

商品区分(第1〜34類)

形のある製品やブランド品などが対象

第3類:化粧品
第5類:薬剤
第9類:電子機器
第14類:貴金属・時計
第16類:紙製品
第18類:革製品
第25類:衣料品
第30類:菓子・調味料
第32類:飲料
第33類:酒類

サービス区分(第35〜45類)

提供するサービスやブランド店舗などが対象

第35類:広告・事業
第36類:金融・不動産
第39類:輸送・旅行
第41類:教育・娯楽
第42類:IT・技術開発
第43類:飲食・宿泊
第44類:医療・美容
第45類:法務・セキュリティ

区分選択のポイント

  • 実際に使用する(または使用予定の)商品・サービスに応じて選択
  • 類似商品・役務審査基準を参考に適切な区分を選定
  • 将来の事業展開を見据えた区分選択も重要
  • 複数の区分にまたがる場合は、それぞれの区分で出願が必要

区分選択の注意点

⚠ 区分が違うからといって登録が保証されるわけではない

商品・サービスの類似性により、区分が異なっても拒絶される場合があります。

⚠ 一見似た商品・サービスでも区分が異なる場合がある

例:スマホアプリは9類(ダウンロード可能なもの)と42類(クラウド提供)で異なります。

商標審査の基準と早期審査制度

商標登録の審査内容と早期審査オプションについて解説します。

審査の種類と内容

方式審査

出願書類が商標法に沿った形式で記載されているかを確認

実体審査

商標の識別力、他者商標との類似性、公益性などを詳細に審査

審査期間

通常審査

6〜8ヶ月

vs

早期審査

2〜3ヶ月

早期審査制度の利用条件

出願商標を指定商品・役務に既に使用している(または使用準備を相当程度進めている)

以下のいずれかに該当する場合:

  • 第三者が無断使用している
  • 第三者から警告を受けている
  • 第三者から使用許諾を求められている
  • 外国でも出願中である
  • マドプロ出願の基礎出願とする予定がある

拒絶理由となる主な事項

  • 識別力の欠如:商品・役務の普通名称、慣用商標、単なる品質表示など
  • 他者の登録商標との類似:外観・称呼・観念が類似し、混同を生じるおそれがある
  • 公序良俗に反する:公共の利益や一般的な道徳観念に反する
  • 国や公共団体等の標章と類似:国旗、公的機関のマークなどと類似
  • 他人の周知・著名商標との類似:既に知られている他者の商標と類似
  • 商品等の品質の誤認を生じるおそれ:品質や産地などについて誤解を招く

早期審査制度の特徴

追加費用なし

審査期間を大幅短縮

「早期審査に関する事情説明書」の提出が必要

拒絶理由通知と対応方法

商標登録審査で発生する拒絶理由と効果的な対応戦略について解説します。

主な拒絶理由

識別力の欠如

商品・役務の普通名称、品質表示などは識別力がなく拒絶されます

先行登録商標との類似

既に登録されている商標と同一または類似するものは拒絶されます

商品・役務の記載不備

商品・役務の記載が不明確、または広すぎる場合に拒絶されます

拒絶理由通知への対応方法

意見書の提出

審査官の判断に対して反論や説明を行います

補正書の提出

指定商品・役務を限定・削除したり、商標自体を修正します

分割出願

一部の区分や商品・役務について分割して出願手続きを継続します

効果的な対応のポイント

拒絶理由を正確に理解する

通知内容を詳細に分析し本質的な問題を把握

期限を厳守する

通常、拒絶理由通知から40日以内の対応が必要

専門家に相談する

適切な対応戦略の選択には専門的知識が有用

拒絶理由通知後の主な流れ

1

拒絶理由通知の受領

審査官による拒絶理由が記載された通知書が届きます

2

対応方針の検討

意見書・補正書の提出、分割出願、拒絶査定不服審判など適切な対応を選択

3

意見書・補正書の提出

反論や指定商品・役務の補正などによる対応(指定期間内)

4

審査の継続

登録査定または拒絶査定のいずれかに進みます

商標権の維持・更新手続き

商標権を長期的に維持するための更新手続きと重要事項について解説します。

商標権の有効期間と更新

商標権の存続期間

登録日から10年間有効。更新手続きにより10年ごとに継続可能

更新申請の時期

存続期間満了の6ヶ月前〜満了日まで申請可能(満了後6ヶ月は追納可能だが割増料金あり)

更新登録料金

期間 料金
10年一括納付 43,600円×区分数
5年分割納付(前期・後期) 22,800円×区分数(各期)

更新手続き忘れに注意

更新手続きを行わないと商標権が消滅します。消滅後は第三者が同一・類似の商標を登録できるようになるため、管理には十分注意が必要です。

商標権を維持するための重要事項

商標の継続的使用

3年以上商標を使用していない場合、不使用取消審判の対象となる可能性があります

更新時期の管理

特許庁の「特許(登録)料支払期限通知サービス」に登録すると、更新時期をメールで通知してもらえます

侵害監視

定期的に類似商標の出願・使用状況を監視し、権利侵害に早期対応することが重要です

出願方法の選択と実務上のポイント

商標登録出願における選択肢と成功のためのヒントを解説します。

自分で出願する方法

メリット

  • 代理人費用が不要で全体コストを抑えられる
  • 自社のビジネスを最もよく理解しているため、必要な保護範囲を自ら判断できる

デメリット

  • 専門知識が不足し、適切な区分選択や指定商品・役務の記載が難しい
  • 拒絶理由通知への対応が専門的で難しい場合がある
  • 識別力判断等の専門的知識を要する判断が難しい

弁理士に依頼する方法

メリット

  • 専門知識に基づいた適切な出願戦略の立案が可能
  • 拒絶理由への的確な対応と登録可能性の向上
  • 手続きの負担軽減と期限管理の安心感

デメリット

  • 代理人費用がかかる(事務所により費用体系は異なる)
  • 事業内容の説明や打ち合わせに時間を要する場合がある

成功する出願のためのヒント

  • 出願前に十分な先行商標調査を行う
  • 他社の拒絶事例も参考にして商標を検討する
  • 将来の事業展開も考慮した区分・指定商品選択

よくある失敗とその対策

⚠ 識別力の低い商標出願

商品・サービスの普通名称や単なる説明的表現

対策:識別力のある工夫(ロゴデザイン、造語など)を加える

⚠ 拒絶理由通知への不適切な対応

拒絶理由の本質を理解せず的外れな対応をする

対策:拒絶理由通知を受けた場合は専門家に相談することを検討

商標出願における国際登録制度

マドリッドプロトコルを活用した効率的な国際商標出願戦略について解説します。

一つの出願で複数国カバー

日本の基礎出願/登録をもとに、一つの国際出願手続きで複数の国に同時出願できます。各国ごとの代理人を立てる必要がありません。

費用と手続きの削減

各国ごとに個別出願するよりも費用を抑えられます。管理の一元化により、更新や名義変更などの手続きも効率化できます。

事後指定による柔軟性

出願後に事業拡大に合わせて保護国を追加できます。市場状況に応じた柔軟な権利取得戦略が可能になります。

マドプロ出願のプロセス

1

日本での基礎出願/登録

国際出願の前提として、日本で同一の商標が出願/登録されている必要があります

2

国際出願の申請

特許庁を通じて国際事務局(WIPO)へ出願書類を提出します

3

国際登録

形式審査後、国際登録簿に記録され、各指定国に通知されます

4

各国での審査

各指定国で実体審査が行われ、拒絶理由がなければ保護が確定します

国内出願と国際出願の比較

項目 マドプロ出願 各国個別出願
手続き 一括出願可能 各国ごとに手続き
言語 英語・フランス語・スペイン語 各国の公用語
現地代理人 原則不要
(拒絶理由対応時に必要)
原則必要
更新管理 一元管理可能 各国ごとに管理
従属性 基礎出願/登録に5年間依存 独立して存続

主な締約国

米国
EU
中国
韓国
英国
オーストラリア
シンガポール
+ 100カ国以上

商標権侵害とその対応策

商標権侵害を特定し、効果的に対処するための実践的ガイドを解説します。

主な商標権侵害の種類

同一商標の無断使用

登録商標と同一の標章を同一の商品・サービスに使用する行為

類似商標の使用

登録商標に類似する標章を同一または類似の商品・サービスに使用する行為

模倣品の製造・販売

正規品に似せた商品に登録商標を付して販売する行為

インターネット上の侵害

ドメイン名、ECサイト、SNSなどでの無断使用や詐称行為

侵害の発見方法

定期的な市場監視

実店舗やECサイトでの類似商品の有無を定期的に確認

商標公報チェック

類似商標の出願・登録状況を商標公報で確認

侵害発見時の対応フロー

1

侵害調査

侵害の事実関係を証拠とともに収集

2

警告書送付

侵害者に対して警告書を送付

3

交渉

侵害行為の停止や損害賠償について交渉

4

法的措置

必要に応じて訴訟等の法的措置を検討

効果的な対応戦略

迅速な対応

侵害を発見したら早急に対応。放置すると権利が弱まる可能性があります。

戦略的判断

ビジネス上の影響と法的措置のコストを考慮し、最適な対応を選択します。

証拠の確保

侵害の証拠を日付入りで保存。公証人の活用も検討します。

青山法律事務所の商標サポート

貴社のブランド価値を守る専門的な商標出願サポートをご提供します。

当事務所の商標サービス

商標調査・分析

登録可能性を高める徹底した先行商標調査と戦略的なアドバイス

出願書類作成

的確な区分選択と指定商品・役務の記載による最適な保護範囲の設定

拒絶対応サポート

拒絶理由通知に対する戦略的な意見書・補正書の作成

国際出願対応

マドリッドプロトコルを活用した効率的な国際商標戦略の構築

商標サポートの特長

  • 一貫したサポート体制

    出願前相談から権利取得後の活用まで一貫してサポート

  • 明確な費用体系

    追加費用の発生しない明確な料金プランでご安心いただけます

  • 豊富な実績

    様々な業界の商標出願から権利化までの豊富な実績

  • 迅速な対応

    お急ぎの案件も迅速に対応いたします

まずはご相談ください

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aoyama@aoyama-law.jp

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〒840-0801 佐賀県佐賀市駅前中央1丁目9番38号

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まとめ:商標出願を成功させるために

商標権取得の要点と当事務所のサポート内容についてご紹介します。

商標登録の重要ポイント

徹底した事前調査

商標登録の成功は徹底した先行商標調査から始まります。専門家による調査が効果的です。

適切な区分選択

事業内容に合った区分選択と、将来の事業展開も見据えた出願戦略が重要です。

期限管理

出願から登録、更新まで、様々な期限があります。専門家による期限管理で安心です。

専門家に依頼するメリット

権利化の確実性向上

専門知識を活かした出願戦略で拒絶リスクを低減し、登録率を高めます。

拒絶理由対応力

拒絶理由通知への的確な対応で、登録の可能性を最大化します。

国際出願のサポート

海外展開を見据えた国際商標戦略をトータルでサポートします。

商標登録から権利活用まで、知的財産の専門家がトータルにサポートいたします

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